誹謗中傷対策を会社内で実施するには?

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サイバー攻撃対策
   

Recorded Future」ライターチームです。

本記事では、企業に対する誹謗中傷の実態と、誹謗中傷の予兆を検知し被害を最小限に抑える方法をご紹介します。 

「誹謗中傷」とは、不十分な根拠で人を侮蔑する行為を指しますが、これが企業に向けられた場合、その影響は深刻なものとなり得ます。

企業の信頼性が揺らぎ、株価下落や売上減少だけでなく、従業員の離職や求人応募者の減少など、企業の存続にも関わる問題につながる可能性もあります。

しかし、誹謗中傷は匿名性の高いインターネット上でしばしば行われ、その予防は容易ではありません。そのため、企業は自身を守るために、日ごろから社内で対策を講じ準備を怠らないことが重要です。 

※本記事は情報提供のみを目的としています。法的なアドバイスについては、専門家にご相談ください。

目次

誹謗中傷の実態

「誹謗中傷」という言葉は、具体的な根拠がないまま他人を侮蔑する行為を指し、人の悪口を言うことを含みます。

これは、法的に定義された概念ではありませんが、誹謗中傷の内容やその方法によっては、プライバシー侵害や著作権侵害、または名誉棄損などの不法行為や犯罪に該当する場合があります。

その場合、加害者には、民事上または刑事上の法的責任が発生する可能性があります*1

2022年10月には、誹謗中傷などによる権利侵害の被害者をより円滑に救済をすることを目的としてプロバイダー責任制限法が改正されました*2

しかし、誹謗中傷問題は依然として深刻であり、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が公開している

「情報セキュリティ10大脅威 2024」の個人向け脅威には「ネット上の誹謗・中傷・デマ」が6位にランクインするなど、社会問題として依然注目され続けています*3

企業が誹謗中傷を受けるケース

中でも、企業に対する誹謗中傷は、経営者や従業員、商品やサービスなど、幅広い対象に及びます。以下に具体的な事例を一部紹介します。

退職者による、経営層になりすました投稿が原因となりSNSが炎上

経営層を装った退職者が、求人広告へ不適切な投稿を行ったことがきっかけとなり、SNS上で当該企業への誹謗中傷が相次ぐ事態となった※4

食品への異物混入を訴える投稿がきっかけで企業への非難が殺到

SNSにて食品に虫が混入していたという趣旨の投稿がされ、販売元の企業に対する炎上状態を引き起こした※5

起業への誹謗中傷の例

この他にも、企業に対する誹謗中傷には、製品やCMなどのプロモーション、労働環境など、多岐にわたります。

インターネット上での誹謗中傷は、不確かな情報や切り取られた情報が誤解を生むケースがあります。

また、インターネットの匿名性から、誹謗中傷が一度拡散されてしまうとそれらを完全に排除することが難しい場合があります。そのため、企業が誠実に活動していても、誹謗中傷から自身を守ることが難しい状況となっています。

特に、悪意を持ったなりすましアカウントや虚偽の投稿による悪評は、一度広がると企業の評判を大きく損なう可能性があるため、企業はそうした投稿をいち早く発見し、迅速に対応できる状態にしておくことが重要です。

誹謗中傷の書き込みが炎上するまでの流れ

会社が誹謗中傷を対策するには

そのための一つの方法として、「脅威インテリジェンス」の活用が考えられます。

脅威インテリジェンスは、通常の検索方法では調査しきれないダークウェブを含む広範な情報ソースを包括的に監視し、潜在的な脅威を探り出すことが可能です。具体的な機能としては、以下のようなものがあります。

広範な情報源からの脅威情報収集

ディープウェブやダークウェブといった通常の検索結果には表示されない幅広い情報源から、脅威情報を網羅的に収集できる。

リアルタイムの脅威分析

収集した情報を迅速に分析し、組織に対する潜在的な脅威を早期に検知できる。

脅威の早期発見と適切な対策の支援

組織に対する脅威とその緊急性を迅速に可視化し、SOCSecurity Operation Center:サイバー攻撃の検知や分析を行い、対策を講じる専門組織)やCSIRTComputer Security Incident Response Team:セキュリティインシデントが発生した際に対応する組織)が脅威に優先順位を付けて対策を実施できるように支援する。

上記の機能を備えた脅威インテリジェンスを活用することで、企業だけでなく、従業員等の一個人名や関連会社に対する誹謗中傷やなりすましも、幅広く効率的に監視し、即時に検出することが可能です。

これにより、知らない間に誹謗中傷が炎上するリスクを大幅に低減することが可能となります。

誹謗中傷の兆候を逃さないRecorded Future

Recorded Futureは、なりすましアカウントやロゴの悪用等も検出可能な、操作性に優れた脅威インテリジェンスです。

この脅威インテリジェンスは、ダークウェブを含む100万以上の情報ソースから膨大な情報を収集し、収集した情報を特許技術の自然言語処理によって自動解析することができます。

自然言語処理による解析結果は「インテリジェンス(企業の脅威への対応の、意思決定に活用可能な情報)」として提示できるため、企業は、膨大な情報のうち重要な情報に集中して対策を講じることや、予兆を検知し未然に対策を打つことができます。 

また、Recorded Futureには得意な分野を持つ様々なモジュールがあり、中でも「Threat Intelligence」と「Brand Intelligence」は、なりすましアカウントの検出と誹謗中傷の検出を得意とします。 

Threat Intelligence

  • ダークウェブやオープンソースの情報を包括的に監視し、企業に関連する悪意のある誹謗中傷を早期に発見する。アラート機能により検知情報の迅速な通知が可能

Brand Intelligence

  • なりすましアカウントや偽のWEBサイト等をリアルタイムで監視し、検知すると即座に通知する。また、管理コンソール上で、発見したドメインの削除または削除要求が可能
  • 企業や経営幹部、ブランドへのなりすましのほか、ロゴやドメインの悪用、データや認証情報の漏洩、ダークウェブでの言及などに対して、リアルタイムでアラートと洞察を提示

上記以外にも、Recorded Futureは様々な機能を備えており、企業に対する脅威に対処するための幅広いインテリジェンスを提供することができます。  

出典(参考文献一覧)

※1 警視庁 | インターネット上の誹謗中傷等への対応 (参照日:2024-03-28)
※2 総務省 | インターネット上の違法・有害情報に対する対応(プロバイダ責任制限法)(参照日:2024-03-28)
※3 IPA(独立行政法人 情報処理推進機構) | 情報セキュリティ10大脅威 2024 (参照日:2024-03-28)
※4 ITmedia NEWS | “炎上”求人広告、原因は「元従業員の改ざん」 退職後もパスワード変更せず(参照日:2024-03-28)
※5 農林水産省 | 統計分析が明らかにする炎上の実態/対策と ネットメディア活用方法(参照日:2024-03-28)