株主の皆さまへ

2018年6月期の振り返りをお願いします。

(2018年8月)
   売上高は、中期事業計画で目標としていた100億円を1年前倒しで達成することができました。金融システムソリューション事業において、カードブランドの統合に係る大型開発プロジェクトの売上を計画どおり計上したほか、クラウドサービスも大きく伸長しました。また、キャッシュレス社会の推進追い風となり、決済手段の多様化に係るシステム開発案件が増加したことも増収に寄与しました。一方で利益については、大型開発プロジェクトの一部工程が不採算化した影響により、前期実績を下回る結果となりました。

 

新中期事業計画の考え方について教えてください。

 次の10年、20年先を視野におき、2019年6月期を「変革スタートの期」と位置付けた新中期事業計画を策定しました。
 前計画で掲げた、売上高1 0 0億円超を目指す規模の拡大、人材育成、風土改革を柱とした「進化3way」を継承しつつも、その内容は足元の状況を踏まえ、より進化させています。
 如何に世の中が変化しても、ネットワークを通じてデータが運ばれることに変わりはありません。当社の培ってきた技術力を活かすことで、将来、どのようなインフラ、デバイス形態になろうとも「高速・安全・高品質で、利便性の高いIT基盤」を提供し、社会に貢献し続けることが可能です。
 当社には、脈々と受け継がれてきた、どんな決済手段にも対応できる高速かつ安全な「止まらないシステム」を構築する技術力があります。新中期事業計画では、当社の技術を金融業界のみならず、幅広い業界のデータ通信に応用することで、人々の生活を支え、次世代の当たり前を導く会社へと進化することを目指します。
 

売上高100億円超の継続に向けた、具体的な事業戦略をお聞かせください。

 金融システムソリューション事業においては、当社の次の成長を牽引する次世代製品の開発と、クラウドサービスの強化を重点施策として取組んでいます。
 次世代製品については、既存のネットワークへの接続に加え、新たな決済サービスなどの多様なネットワークに簡易に接続できるゲートウェイシステムとして、次世代NET+1(ネットプラスワン)の開発を進めています。併せて、オンライン決済などの非対面取引の拡大に対応するため、AI(人工知能)を活用した次世代不正検知システムの開発にも着手しました。いずれにおいても、2019年6月期中の完成を目指します。
 クラウドサービスについては、現在展開している「IOASIS(アクワイアリング業務)」「IFINDS(不正検知)」「IGATES(スイッチング)」の3つのサービスが、想定以上の引き合いと成約をいただいています。今の売上高は対前年比で大幅な増加を見込んでおり、今後も新サービスを拡充していくことで、さらなる売上高の増加を目指します。
 プロダクトソリューション事業においては、これまで事業を牽引してきた情報漏えい対策システム「CWAT(シーワット)」や標的型攻撃対策システム「Traps(トラップス)」に加えて、サイバー攻撃の対応を自動化する「eyeShare(アイシェア)」や、大のログデータに隠れた脅威をAIの活用により解析する「SecBI(セックビーアイ)」など、イスラエル製の情報セキュリティ製品を拡充することで、引き続き販売を強化していきます。
 

企業風土の改革についてお聞かせください。

 当社の従業員数はこの3年間で100名近く増え、400名体制となりました。一方で、持続的な業績拡大のためには、採用した従業員に対する継続的な育成はもとより、一人ひとりが働きやすい環境の整備や、常に新しいことに挑戦する姿勢を社内に浸透させるための風土改革も重要であると考えます。
 職場環境の整備については、従業員の多様性を考慮した働きやすい環境の実現を目指します。2018年4月入社の新卒採用38名のうち、6名は外国籍、16名は女性です。「性別や国境にとらわれない多様な価値観が新しいエネルギーを生み出す」という信念のもと、当社に新たに加わった従業員がその力をいかんなく発揮できるように、それぞれの個性を尊重した職場環境作りを進めます。例えば、定期的に実施する全社アンケートの結果をもとに、人事、労務制度の見直しや新設に積極的に取組むことにより、従業員満足度の向上を図っています。
 風土改革については、進取の気性に富む企業文化の形成を目指します。次の20年、30年先を見据えると、成長を支える新たなキラーシステムの創出が必要不可欠です。そのためには当社の特長である堅実、誠実な社風は保ちつつも、新しいことに積極的に取組む姿勢を持つ技術者集団へと進化させていかなければなりません。2018年7月の組織改編に併せて、各本部長の大幅な世代交代を実施したことも、風土改革の一環です。
 今後も、次世代NET+1や次世代不正検知に限らず、新製品、新サービスを社員一人ひとりが積極的に生み出せるような企業文化を築いていきたいと考えています。
 

2019年6月期の見通しについてお聞かせください。

 2019年6月期は、新中期事業計画における「変革スタートの期」であり、当社にとって非常に重要な1年になると考えています。業績面では、大型開発プロジェクトに係る売上高は前年度より減少すると見込んでいるものの、クラウドサービスの伸長や、決済手段の多様化の進展を背景とした開発案件の増加、新たな業界向けのビジネス機会の拡大などにより、売上高100億円超を継続できると考えます。併せて、開発プロジェクトの管理を強化することで、継続的に適正な利益を確保し、伸ばすことができる体制づくりに努めていきます。
 

株主の皆さまへのメッセージをお願いします。

 当社は、2018年6月に東京証券取引所市場第二部に市場変更しました。市場変更には、社会的信用度の向上による企業ブランド力の強化という目的だけでなく、従業員に対するメッセージという意味も込めています。当社の従業員に対しては、世の中の生活インフラを支える優秀な技術者集団であることに誇りを持ち、その矜持のもと仕事に携わってほしいと常々考えています。今回の市場変更が「進化3way」に掲げる施策の早期実現につながることを期待しています。
 株主の皆さまにおかれましては、引き続きご支援のほどよろしくお願いいたします。