イスラエルの今(後編)

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イスラエル
         

目次

イスラエルと日本の違い

時差や通貨等の基本情報は、ガイドブックに任せるとして本Blogでは生活していくなかで、日本と違いがあることを思いつくままに記載しますので、本記事をご覧になった方もイスラエルに行った気分になって貰えると嬉しいです。

  • ショッピングモール

テルアビブの中心にあるAzrieliセンター内のショッピングモールを例にとります。ここAzrieliの名前の由来はAzrieliというお金持ちの人がイスラエル内に次から次へとArieliの名前を冠したビルを作りました。ここAzrieliセンターにはオフィスビルは勿論、ショッピングモール、スーパー、ホテルなどがあります。三角形(Triangle Tower)、四角形(Squair Tower)、円形(Round Tower)の3つのビルからなり、それらをつなぐ形でショッピングモールが23階にあります。

オフィスビルがあること、テルアビブ中心地のビル街にあること、HaShalom駅と直結しており、朝から夜遅くまで開店していることもあり、いつも込み合っています。

Azrieli Center

Azrieli Center

 Azrieli Centerのフードコート

Azrieli Centerのフードコート

  • タクシー

イスラエルでは空席のタクシーを道で拾うことも時間によっては可能ですが、多くはスマホアプリでタクシーを呼びます。一切言葉を交わさなくても、行先指定もクレジット支払も可能でありとても便利です。ただし、朝の通勤時間はアプリで呼んでも場所によっては来てくれる可能性は低く、筆者も実際に8:40ころから9:30まで捕まえることが出来ませんでした。雨の日は利用者が知り合いのタクシーを呼ぶためか走行しているのは予約車ばかりで、予約なしに捕まえるのは無理です。

そのためか、日本でも最近流行っている電動キックボードや電動自転車で通勤する人が多いです。電動と言ってもイスラエルでは補助駆動ではなく、主駆動であり全く足で漕ぐことなく走れます。(多少の登坂でも漕ぐ必要なく走行可能)日本と違いイスラエルでは免許が不要で、一時は多くの中高校生が自由気ままに走るために、自動車や人にぶつかり人身事故が多発し社会問題になりました。2年前には海岸にある遊歩道にのみあった専用ラインが、街中の歩道にもできていました。

歩道に書かれた自転車専用エリアのマーク

歩道に書かれた自転車専用エリアのマーク

関税やVATが高いために自動車もそうですが、電動キックボードや電動自転車も高価です。それにも関わらず多くの特に若い人が利用しています。(いつもタクシーのドライバーは彼らが邪魔なので怒っています)

  • 電車

電車はIsrael Railwaysのみです。地下鉄を作りテルアビブ市内やエルサレム市内の移動を簡単にしようとしているようです。しかし、地下鉄の工事は何故か他国の企業が落札したらしいのですが、(ほかの場所は分りませんが)テルアビブでの工事が進んでおらず既に5年以上も工事中になっています。冗談で子供に「あれは何?」と聞くと、子供は「あれは地下鉄工事だよ。あなたがおじいさんになっても孫に同じことを聞かれると思うよ。」と言うとか言わないとか。

特急や急行という区分はありませんが、同じ目的地であっても電車によって乗っている時間(停車駅の数)が違います。例えば、テルアビブ中心のHaSlalom駅からベングリオン大学のあるBeer Sheva North駅までは1時間15分から1時間50分程度かかります。車窓からの景色を見ていると田園風景や、時には野生(?)のラクダなどがいます。車内は4人がけのボックス席が多く、4人毎にコンセントが2つ付いていることが多いです。

工事の都合か、あるいは恐らく発電所や線路が攻撃を受けた時でもサービスが継続できるようにディーゼル駆動になっています。(つまり、電車ではなくディーゼル車+列車)

電車の時間とチケットもスマホアプリで検索や購入ができます。また現在はGreen Passがなくても問題は無いですが、駅に入るためには空港と同じで、X線での荷物検査と金属探知機での検査を受ける必要があります。

Beer Sheva North駅の表示

Beer Sheva North駅の表示

Tel Aviv中心のHaShalom駅

Tel Aviv中心のHaShalom駅

  • ウーバー

日本でもコロナ禍によりウーバー(Uber)の利用者が多くなりましたが、イスラエルではWOLTが一般的に使われています。ウーバーと同じくWOLTもスーパー、レストランなどで何かを買い、各家庭に運び利用料を貰うモデルです。

WOLTのオートバイ

WOLTのオートバイ

電動自転車やバイクに乗っている配達員が多く、かなりの台数(人?)を街中で見かけます。

  • コンビニ

日本でコンビニといえば、セブンイレブン、ファミリーマート、ローソンなどですが、イスラエルでは殆どがampm(米国のam/pmとは無関係です)です。さすがにおにぎりは売っていませんが、必要なものは大体手に入ります。

ampmの店舗

ampmの店舗

  • ファーストフード

日本にはマクドナルド、バーガーキング、ケンタッキーなど色々なファーストフードがあります。イスラエルにはマクドナルドはありますが、その他は見たところなさそうです。代わりにファラフェル(ひよこ豆をつぶしてコロッケ状に揚げたものをコッペパンやポケットパンに挟んだもの)を売っている小さなお店では、コンビニほどではないにしても色々な物を買うことができます。(英語は通じないと思ってください)

マクドナルドの店舗

マクドナルドの店舗

  • コーヒーショップ

日本ではスタバ、ドトール、タリーズなど多種なお店がありますが、チェーン展開しているのはArcaffeAROMAでしょうか。ただし、AROMAなどはヘブライ語で店名が書いてありますが、ちゃんと”English Menu, please.”と言うと出てきます。どちらのお店も美味しいのでおすすめです。

AROMA Cafeの店舗

AROMA Cafeの店舗

  • 100均ショップ

日本ではダイソー、セリアなどが有名ですが、イスラエルではダイソーに似たCofix Shopと言うのがありました。100円ではなく5シェケル(330日現在のレートで大体190円)のCofix Shopがコロナ禍前は増えていたのですが、現在はかなり減っていました。Cofixにはコーヒーショップもあり、そちらは残っていました。

Azrieliセンターには、「メイソウ」という名前までダイソーを模したお店があります。当初は登記だけ日本にして日本のお店だと宣伝していましたが、今は日本のお店ではないと知られているようです。商品は、ダイソーとは結構違いますので、ダイソーのレベルを期待しないほうが良いです。

  • 食べ物

ユダヤ教の食事はKosherと呼ばれます。イスラム教のハラールと同じように様々な戒律がありますが、ユダヤ教が一般的なイスラエルでは多くのお店がKosherを謳っています。例えば、人口あたりの寿司屋が世界中で一番多いと言われているイスラエル(勿論、日本のお寿司とはかなり違います)ですが、Kosherでは鱗のない魚介類は食べてはならないのでウナギやアナゴはなく、エビなどもありません。ほかのレストランでも牛肉と乳製品(ミルクを使ったアイスクリーム、バター、ヨーグルトなど)は一緒に食してはならない、といった様々な制限があります。そのせいかビーガン向けのメニューがあったりします。

  • 階数の数え方

イスラエルでは、日本と階数の数え方が異なります。日本でのビルの2階は、エレベータでも数字の2となりますが、イスラエルでは地上は0階になります。(日本で言う2階がイスラエルの1階)ですので、帰る際には、エレベータでは0階(ビルによってはEとかホテルではLobbyとか)を押してください。

  • シャバット

イスラエルでは、シャバットと言われる、原則金曜日の日没から土曜日の日没までの休息日があります。学校は別として、企業などの平日は日曜日から始まり木曜日で終わります(学校は日曜日~金曜日の6日間)。その間は、働くこと=機械を使うことが禁じられますので、コーヒーマシーンをはじめ電気機器は何もつかってはならないとされています。その為に昔は警察、病院、消防署なども機械が使えなかったとか。今ではそういう仕事に就いている人は機械を使ってよい事になっているそうです。

ホテルなどにはエレベータは大体2基以上あり、そのうちの片方はシャバットモードで動きます。何も押さなくても移動するのですが、全ての階に止まり、ドアの開閉も時間が経過するまで待つというモードです。特に高層ビルでは。シャバットモードになると普通と違うランプが点いているはずですので、すぐにわかると思います。私は最初、エレベータの故障かと思ったのですが、違いました。

  • 病院(聞いた話です)

これは聞いた話(PCR検査以外で病院のお世話になっていませんので)なのですが、多くの人は公立の病院に行くようです。イスラエルでは皆保険で全員がHMOに加入しているので、保険で医療費用がカバーされています。因みに学校は大学まで含めて国立は無料です。入国などのPCR検査ではHMO番号が聞かれますが、パスポート番号でもOKです。

イスラエル出国前のPCR検査

日本入国の条件として、日本到着の72時間前以内のPCR検査が陰性でなければならず、従ってイスラエルにてPCR検査を受けなければなりません。PCR検査といっても方法(検体の取得方法、検査方法)がいくつかあり、また日本で検査結果を申告する内容も決まっています。前編に記載した在イスラエル日本大使館のメモには、大使館が推薦するPCR検査実施期間(ほとんどは病院)が記載されています。空港の駐車場などで行われている検査機関では日本が認めている検査としての扱いや報告書の作成ができないようですので、帰国の際にはご注意ください。

私は、大使館のメモに記載されているRaphael Hospitalを選択しました。イスラエルの保健省の推薦リストには、公立病院しか記載されていないので、私立病院であるRaphaelは記載されていません。

 Raphael Hospitalの玄関

Raphael Hospitalの玄関

Raphael Hospitalは言ってみれば高級病院で、最先端の医療と快適な入院生活が送れる病院だそうです。PCR検査の費用も(恐らく)ほかの病院に比べて高価なのかもしれませんが、日本で受けた時よりは安かったです。Webサイトはヘブライ語の記載のみですが、International departmentだけは英語で記載されており、現地でも英語で対応してもらえました。あまり英語に自信がない私は、イスラエルの知人に病院へ電話して貰ったのですが、海外に行くためのPCR検査や陰性証明書の作成は慣れているということで、日本政府が発行しているフォームも持っていました。また、病院によってはPCR検査後に大使館に立ち寄り、病院の領収書などを見せてPCR検査の追加説明資料が必要になります。(日本大使館発行のメモには記載されています。念のために大使館に電話で問い合わせたところRaphaelでは不要でした。)

事前に予約しておけば非常にスムーズに検査は進み、直ぐに検査をし、その日の夕方には検査結果を、そして翌日には陰性証明書を彼らのフォームおよび日本政府のフォームでメール送信してくれました。もっとも検査結果報告時点では私のパスポート番号が誤って記入されていましたが、問合せを行うと直ぐに訂正してくれました。また、翌日の昼頃までには正式な検査結果報告書(Raphael独自フォームと日本政府のフォームの両方)をメールで送ってくれました。

日本入国のためのスマホアプリでの事前申告

日本でも特定の空港(このBlog時点では羽田空港、成田空港、中部国際空港、関西国際空港、福岡空港)での入国時のコロナ検疫審査を事前にMySOSというスマホアプリから実施できます。私もこのアプリを利用したのですが、注意点としてワクチン接種証明書とPCR陰性証明書は、スマホのカメラで紙の証明書を撮影したファイルをアップロードする必要があります。最初はpdfファイルをアップロードするのかと思っていました。ファイルの種類は、MySOS起動後の「事前登録の説明」に書かれていますが、アプリ内の登録画面には書いてありません。因みに登録できるのは、PNGJPGGIFです。

また、PCRの検査日時の入力で時差を考えて日本時間で入力したところ、病院が発行した陰性証明書の検査日時(イスラエル時間)と違うとなり、再審査(背景が黄色)になってしまいました。その後、イスラエル時間で入力して、審査完了(背景が緑色)になったのですが、実際には恐らく「72時間-時差の6時=66時間」前の陰性証明書が必要ってことなのかもしれません。十分に気を付けて現地でのPCR検査日時を決めてください。

申請すると、ワクチン接種証明とPCR陰性証明書が「審査中」となり、ステータス画面の背景が赤くなります。審査が通ると色が変わり緑色になります。私の場合は2時間ちょっとで審査完了で緑色になりましたが、その間はドキドキしていました。また、審査完了の連絡では注意書きで、入国直後はスマホが繋がらないこともあるので、紙で証明書類を持ってくることと書いてありました。

審査OK時のMySOS画面

審査OK時のMySOS画面

日本帰国

やっと日本に帰国です。今までと違い入国時のコロナ関連の手続きは「案ずるより産むが易し」とはなりませんでした。

入国前PCR陰性証明やワクチン接種証明などの必要書類のチェック、前記のスマホアプリMySOSのインストール、到着時のコロナ検査(抗原検査だと思います)および検体採取、そして検査結果待ち、と全てを完了するのに1時間以上はかかっています。そしてその後長いゲート通路の端から端まで移動して、やっと検疫、入国、手荷物受取りとなります。

最後に

こんな短期間に複数回のPCR検査を受けたことがなく、日本出発前、イスラエル到着時、イスラエル出発前と2週間で3回もPCR検査を受けました。日本では鼻から綿棒を入れて検体採取をするのですが、イスラエルでは鼻孔と咽喉採取のみのために、本当にこれでいいのだろうかと思ってしまいました。いずれにせよ、感染することなくイスラエルから帰国できたのは良かったです。

イスラエルは国土面積が四国並みで、人口は930万人程度の国です。岩と砂漠が広く分布しているので、人々は色々な場所に分散しつつ、集中しています。その中でもエルサレム(Jerusalem)やテルアビブ(Tel Aviv)、そしてネゲブ砂漠の北端のベルシェバ(Beer Sheva)、テルアビブに近いスタートアップが集中しているヘルツェリア(Herzliya)やペタティクバ(Petah Tikva)そしてラマトガン(Ramat Gan)やホロン(Holon)、テルアビブの北部にあるネタニア(Netanya)やハイファ(Haifa)などに集中しています。

タバコを吸われる方へ:まれにイスラエルでは喫煙場所で煙草を吸っていると通りがかりの人が「煙草をくれ」と寄ってきたりします。1本位と思っていると度々寄ってくることもありますのでお気を付けください。

本篇以降のBlogはサイバーセキュリティの技術的内容に戻りますが、今回のイスラエル出張で見つけたスタートアップやベングリオン大学などが取り組んでいるセキュリティに関する情報に関してもお知らせしていく予定です。