代表取締役社長川上晃司

事業基盤の強化と将来への投資を進め、
持続的な成長につなげてまいります

 2026年6月期業績について

2026年6月期は、中期経営計画の2年目として、持続的な成長に向けた事業拡大と経営基盤の強化に取り組んでまいりました。主力の決済領域では、キャッシュレス決済の拡大を背景に、主要顧客である決済事業者において、基幹システムのモダナイズや不正利用対策を中心としたシステム投資需要が継続しました。当社はこうした需要を着実に取り込み、その結果、売上高は172億4,700万円(前期比10.6%増)、営業利益は20億7,600万円(同12.3%増)となり、売上・利益ともに過去最高を更新することができました。また、期初から継続していた一部案件の品質対応についても当期中に収束し、収益機会は回復傾向にあります。

中期経営計画の進捗と課題への取組み

現在推進している中期経営計画では、事業領域を提供する機能別に「決済」「セキュリティ」「データ通信・分析基盤」の3つに再編し、それぞれの領域において、成長に向けた施策を推進しています。

2026年6月期は、売上高については概ね計画どおりに推移し、特に決済領域が当初計画を上回る成長を遂げ、全社業績を牽引しました。一方で、セキュリティ領域およびデータ通信・分析基盤領域については、当初想定していた成長の実現に時間を要しており、利益面も含めて計画を下回る結果となりました。これらについては重要な経営課題と認識しており、解決に向けた取組みを進めています。

そのために当社が取り組んでいるのが、中期経営計画で掲げる「事業の変革」「技術の変革」「人財の変革」です。「事業の変革」では、品質管理体制の強化や収益構造の見直しを進め、生産性と収益性の向上に取り組んでいます。「技術の変革」では、AIやクラウドなどの先端技術と当社の強みである決済・セキュリティ技術を融合し、製品・サービスの競争力強化を進めています。そしてこれらを支えるのが「人財の変革」です。事業戦略の実現に必要な人財像を明確にするとともに、将来の成長を担う専門人財・中核人財の育成を進めることで、持続的な成長を支える人財基盤の強化に取り組んでいます。

その中でも、私が特に重要だと考えているのがAIの活用です。AIは単なる業務効率化ツールではなく、今後の企業競争力を左右する重要な経営基盤になると考えています。開発や品質保証の工程にAIを活用し、生産性と品質の向上を図るとともに、決済領域の不正検知機能の高度化やシステム監視・運用の効率化、セキュリティ製品へのAI活用などを通じて、既存事業の競争力強化にも取り組んでいます。さらに、こうした取組みを通じて蓄積する技術や知見を活用し、AI時代に対応した新たなサービスや事業機会の創出も目指しています。

また、将来の成長領域に向けた取組みについても進めています。私たちの強みは、長年にわたり決済・金融分野で培ってきた技術資産にあります。今後は、これらの技術資産を活用し、現在の収益基盤である決済領域の強化に加え、新たな成長領域への展開を進めています。具体的には、次世代決済分野、金融・資本市場分野、データ活用・ガバナンス分野などにおいて、新たな事業機会の創出に取り組んでいます。これらはまだ将来に向けた挑戦の段階ですが、次期中期経営計画以降の成長を支える新たな収益の柱へ育てていきたいと考えています。

 2027年6月期業績予想について

2027年6月期は、売上高177億円(前期比2.6%増)、営業利益22億円(同6.0%増)の増収増益を計画しています。一方で、この水準は現行中期経営計画策定時に掲げた最終年度目標を下回る水準となります。これは、セキュリティ領域およびデータ通信・分析基盤領域における成長の進捗が当初の想定を下回っていることに加え、先ほどご説明したAIを活用した経営基盤の強化や、新たな成長領域への取組みを推進するためです。2027年6月期は、インフラ運用基盤の整備、自社プロダクトの強化、AI活用の推進など、将来の成長につながる投資を織り込んだ計画としています。

将来の成長に向けたAI活用や新たな成長領域への取組み、人財基盤の強化には一定の時間と投資が必要であると考えています。短期的な利益のみを追求するのではなく、中長期的な企業価値向上につながる基盤づくりを着実に進めることが、今の当社にとって最も重要であると考えています。現中期経営計画で見えてきた課題に真正面から向き合い、その解決に取り組むとともに、その先の成長に向けた種まきを進めていきます。

2026年9月
代表取締役社長
川上 晃司