機器間の高精度な同期等の高い要件が存在する放送IPネットワークにおいて、問題となる遅延等の障害を、ユーザが意図した通りに発生させ、システムの事前評価による品質の向上を実現するためのシミュレータです。EoMと併用することで、事前検証を行うだけでなく、発生させた障害の影響範囲等の詳細な状況把握を行うことも可能です。
疑似的に障害を発生させ、起こりうる問題を事前に検証するシミュレータ
EoM TFGは、IPネットワーク上で起こりうる障害を疑似的に発生させることで、起こりうる問題を事前に検証することができます。
EoMと組み合わせることで、障害発生時の影響範囲を事前に把握でき、対策することが可能です。
EoM TFGの3つの特徴
100Gbpsの通信速度に対応
100Gbpsまでの映像・音声データ通信に対応済みのため、大手放送局が実際に行う番組などを想定して検証を行えます。
柔軟なシミュレーションが可能
様々な障害発生パターンの組み合わせや任意のスケジュールを作成することが可能なため、お客様のニーズに合わせた疑似的なパケット障害を発生させることができます。
リアルタイムのパケット編集機能
現在のパケットヘッダ項目の加工以外に、様々な通信データに適用できるよう、パケットヘッダの編集機能を追加・実装予定です。お客様の環境に合わせてカスタマイズ可能となります。
EoM TFGの機能一覧
障害発生パス設定機能 | 障害を発生させるパス(IP フロー)を指定する機能です。 当バージョンにおいては同時に各ポート毎に最大4 個のパスを設定出来ます。 |
障害発生パターン設定機能 | 発生させる障害のパターンを設定する機能です。 |
スケジュール実行機能 | 障害の発生、障害の停止等をスケジュール設定に基づいて自動実行する機能です。 |
パケットリオーダー機能 | 到着したパケットの順序を逆転させて送出する機能です。 |
パケットドロップ機能 | 到着したパケットを条件に基づき破棄する機能です。 ドロップ率指定、N 回に一度破棄する指定、バーストドロップする指定等が可能です |
遅延発生機能 | 到着したパケットを一定時間遅延させて送出する機能です。 |
ジッター発生機能 | 到着したパケットの送出間隔をコントロールする機能です。 |
帯域制御機能 | 入力トラフィックの帯域を絞り送出する機能です。 |
全断機能 | 到着したパケットを全て破棄する機能です。 |
パケットヘッダ編集機能 | 条件に基づき、受信パケットのヘッダを書換えて送出する機能です。 |
EoM TFG の構成図
FES サーバにAlveo U200 をPCIe 接続し、内部バス経由でFES からAlveo U200 上のFPGA に対し、障害発生パスや障害発生パターンの設定を行います。Alveo U200 上のFPGA では、設定値に基づき入力パケットに対してパケットヘッダ編集やジッターを発生させ、出力ポートからパケットを送出します。