IP化された放送システムでは、その構成や機器配置の柔軟性が高まります。その反面、確実なシステム運用にはシステム全体の監視・管理が必要です。EoM SmartOrchestratorにより、複雑化する放送システムの全体を俯瞰した運用が可能となり、トラブルの未然防止や迅速なリカバリーが可能になります。
IPシステム全体を俯瞰した統合監視・管理システム
EoM Smart OrchestratorはIPシステムの統合監視・管理システムです。
放送業界のお客様の声を反映し、100%自社で開発した製品となります。
放送システムのIP化によりシステム構成や機器配置の柔軟性が高まり、リモートプロダクション等に対して柔軟に対応することが可能になった反面、複雑化するシステムを運用する為にシステム全体の統合監視・管理が必要となり開発を実現しました。
EoM SmartOrchestratorの4つの特長
1.末端の機器を含むシステム全体の把握
- 標準的なプロトコル(*)だけでなく、放送向けプロトコルにも対応することで、ネットワーク上の末端デバイスを含めたシステム全体の構成や状況を把握します。
<対応済み放送向けプロトコル>
AMWA NMOS IS-04/05/06、SMPTE ST 2110、SMPTE ST 2059(PTPの放送向けプロファイル) - 標準的なプロトコル(*)しか理解できない製品では対応が困難な細かな監視や制御が可能となります。
* SNMP, LLDP, OpenFlow… etc.
2.ドリルダウンによる素早い原因特定
- システム全体を俯瞰した監視・運用が可能となるだけでなく、問題発生時にはドリルダウンによる素早い原因究明が可能です。
- EoM(IPフロー監視)との組合せにより、ネットワーク上のデバイスと紐付けられたIPフロー監視が可能です。これにより、IPパケットレベルに至る監視が可能となります。
3.柔軟な拡張性と統一されたビュー
- ネットワーク上の各デバイスの監視・制御を行う『コントローラ』と全体の制御を行う『マネージャ』を分離することで、スモールスタートでの製品導入が可能となるだけでなく、大規模システムにおける一元監視・管理にも対応することができます。
- 独自のプロトコルで通信を行うデバイスについても、製品にアドオン可能なアダプタを導入することで柔軟に対応可能です。
- WEBブラウザからのアクセスが可能です。『マネージャ』のみをクラウド上に配置し、『コントローラ』を各拠点に配置することで、遠隔監視やリモートでのオペレーションが可能となります。
- システム規模に応じた柔軟な拡張が可能となり、利用者にシステム全体を俯瞰した統一的なビューを提供することができます。
4.特定ベンダーに依存しない製品
- 他社システムや特定ベンダーのプロトコルに依存しない構成となっています。
- 放送向けプロトコルの規格追加や変更などへの追随をするだけでなく、お客様からいただくご要望の実装についても積極的に検討して参ります。
- 100% 自社開発のため、タイムリーかつ柔軟なサポートを提供することが可能です。
主要コンポーネント
全体イメージ図
主な機能
プロジェクト登録
番組制作を『プロジェクト』として管理。監視対象や有効期限、実行タイミング、アクセス権などを個別に設定することができます。
トポロジ検出・管理
末端デバイスを含むシステムのネットワーク全体のトポロジ(構成情報)を自動的に検出します。検出した情報を基に、各デバイスの状態の監視や制御が可能です。
コネクション制御
映像・音声等のセンダーとレシーバ間のコネクションの制御(接続、切断など)を実現。
IPフロー制御
NMOS IS-06やSDNの技術(OpenFlow)などにより、ネットワークを流れるIPフローのアクセス制御や帯域制御ができます。
アラート通知
ネットワークスイッチやデバイスに異常が発生した場合には、アラートを通知します。アラート通知を行う条件は、お客様が任意に指定することが可能です。
NW機器・デバイス管理
ネットワークスイッチやデバイスの設定情報等を自動で取得し、参照や更新等を行います。
ログ管理
ネットワークスイッチやデバイスの出力する任意のログメッセージを収集し、統一的なビューで参照が可能です。
IPフロー監視との連係
EoM (IPフロー監視製品) と連携して、IPパケットレベルでの詳細情報と各デバイスを紐づけた上でのネットワーク解析を実現。
スケジューリング
センダー、レシーバ間のコネクション制御や各デバイスの監視を実行するタイミングの登録を行い、自動で実行できます。