Qaptiva 800
量子コンピューティングにおける開発環境とシミュレータ
・ノイズの有無を選択できるエミュレート環境
・研究費用の削減

Service
製品・サービスの概要
量子コンピューティングの研究開発を推進
Qaptiva 800は量子アルゴリズムの研究に最適な「量子コンピューティングにおける開発環境とシミュレータ」を備えたアプライアンス製品です。様々な量子コンピュータ実機上で正しく動くアルゴリズムを研究開発することができます。量子技術を研究し産業に組み込むために必要不可欠な製品です。
計算方式にとらわれない量子開発環境を提供――産業の変革へ
現在、様々な量子計算方式を採用した量子コンピューターが存在していますが、研究分野や課題に対し、最適な計算方式や実行環境を導き出すための試行には多く時間と労力が必要になります。また、研究を進める上で利用可能な量子ビット数には限りがあるため、ジョブの実行待ち時間が発生など必要な時間や環境維持のためのコストが計画よりも増える傾向にあります。
このような状況では、1つの方式に絞った研究にはリスクが伴い、計画的に研究開発を進めることが困難です。
Qaptiva 800は、実機相当のエミュレート環境が実装されているため、多種多様な計算方式や実行環境において研究することが可能です。また、研究開発の段階においては、実機でTry&Errorを繰り返すことに比べて効率的に作業を進めることが期待できます。実際に、Qaptiva 800で量子アルゴリズムを開発し、それを実機の量子コンピュータで実行するといった使い方が見られています。
Reason
選ばれる6つの理由
量子コンピュータ実機のエミュレート
以下のような主要な量子コンピュータのエミュレートを行うことができます。他の実機についても、トポロジとハードウェアの忠実度の値を設定することで、事実上全ての量子処理装置(QPU)がエミュレート可能となります。
例:Google、IBM、Rigetti、Zuchongzhi など
Qaptiva 800に搭載されている回路最適化ツールを活用することで、実行したい量子ハードウェアに合わせて必要なゲート総数を減らすことができます。これにより、どの量子コンピュータを選択しても計算の効率と速度を最大限に引き出すことができます。
強力なノイズエミュレート
完全な量子コンピュータ(FTQC)の実現時期はまだ明確ではないため、ノイズによるエラーが起きることを踏まえたアルゴリズムを開発する必要があります。Qaptiva 800では非常に精密なノイズモデルの取得や、ノイズが発生する条件のインプットにより、実際の量子コンピュータで実行したときと同じ結果を得ることができます。
ノイズを含まないエミュレーションも行うことができるため、FTQCはもちろん、ノイズを含む中間規模量子コンピュータ(NISQ)にも対応可能です。そのため、研究開発したアルゴリズムをすぐに産業に活かすことが可能になります。
汎用性、相互運用性
汎用量子言語(QASM)をベースにPythonライブラリが利用可能なPyAQASMを使用することができます。このため、既存のコードを書き換えることなく、以下のようなフレームワークとインポート/エクスポートすることができます。
例:OpenQASM、Perceval、Cirq、Pyquil、ProjectQ、Qiskit など
また、作成したアルゴリズムを実機や他社のシミュレータで実行することもできるため、柔軟な開発とテストが行えます。
高性能
最大で41Qbitまでの量子アルゴリズムをCPU上でシミュレートできることが可能です。これはCPUを用いたシミュレーションとしては最大級の規模です。
アルゴリズムによっては消費するメモリが少ないため、41Qbit以上の稼働させることもできます。特にMPS(Matrix Product State)方式では、最大1000Qbitまでシミュレーション可能です。さらに、このシミュレート環境の処理速度は主要な他社製品に比べて約10倍※の速度で実行することが可能です。
※IWI調べ
高い安全性
データセンターやお客様のサーバルームにハードウェアを置くため、機密データを外部に出さず安心して研究することができます。
スタンドアロン型のアプライアンスであるため、既存のインフラやセキュリティ強化のためのアクセス管理ソリューションと簡単に統合できます。現在主流の古典量子ハイブリット計算も1つのシステム上で行うことができます。
充実したサポート
国産品質の製品保守サービスを提供しており、ハードウェア故障時の交換や、ソフトウェアアップデート時の情報提供を行います。
また、お客様が導入後すぐに活用できるよう、初期のトレーニングプログラムや、特定の課題やプロジェクトのフェーズに応じた研究サポートもご用意しているため、安心してご利用いただけます。
動作環境
Qaptiva 800 アプライアンス製品群 |
Qaptiva 802 | Qaptiva 804 | Qaptiva 808 | Qaptiva 816 |
ハードウェア構成
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2 sockets - 20C 1.9GHz オプション: |
4 sockets - 20C 1.9GHz オプション: |
8 sockets - 20C 1.9GHz オプション: |
16 sockets - 20C 1.9GHz オプション: |
イーサネット銅ポート | 1 x 1Gb/s (RJ45) | 2 x 1Gb/s (RJ45) | 4 x 1Gb/s (RJ45) | 8 x 1Gb/s (RJ45) |
イーサネット銅ポート光ポート | 2x 10Gb/s (SFP+) | 4x 10Gb/s (SFP+) | 8x 10Gb/s (SFP+) | 16x 10Gb/s (SFP+) |
電源 | 電圧 / 周波数: 100-120 V / 200-240 V @50-60 Hz |
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電源ケーブル: C19-C20, 20 A 2xTitanium PSUs 最大3000W |
電源ケーブル: C19-C20, 20 A 4xTitanium PSUs 最大3000W |
電源ケーブル: C19-C20, 20 A 8xTitanium PSUs 最大3000W |
電源ケーブル: C19-C20, 20 A 18xTitanium PSUs 最大3000W |
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フォームファクタ | 2U | 4U | 8U | 19U |
重量 | 40Kg | 80Kg | 160Kg | 365Kg |
規制対応 |
安全性: CE、IEC、UL、CSA + APAC認証 | |||
電磁両立性: EC、FCC、ICES-03、VCCI認証 | ||||
国際的な環境基準: RoHS2指令、WEEE(電気電子廃棄物)指令、REACH規則 |
FAQ
よくある質問
- ゲート方式とアニーリング方式の両方で使えますか?
- アニーリングはもちろん、ゲート方式に含まれる以下のパラダイムを選択することができます。
例 トポロジー量子ビット、超伝導、フォトン、中性原子、トラップイオン、シリコン量子ビット など
現在、最適化問題はアニーリング方式で解くことができますが、その他多くの問題に対してどの方式が有効かは明らかになっていません。 Qaptiva 800を使用することで、お客様の課題に最適な方式を発見することができます。
- 研究や開発のサポートは提供していますか?
- 世界的なIT企業であるAtos社※のスペシャリストがお客様のソフトウェアサポートを行います。
ユースケースの発掘などの初期課題から、実装可能性についての概念実証(PoC)などのエキスパートレベルのコンサルティングサービスまでご提供可能です。
※量子コンピューティングと高性能コンピューティングに関するサービスを提供するグローバル企業。IWIはアジアパシフィックで唯一のQaptiva 800販売代理店。
- 費用体系を教えてください。
- Qaptiva 800シリーズのどのスペックやオプションを選択するかによって変動します。 お客様の研究内容や計算したい量子ビットの数によりますので、お問合せいただければ適切なモデルを案内いたします。