~カード不正取引データ連動でより高度な不正対策の実現へ~
株式会社インテリジェント ウェイブ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:佐藤 邦光、以下:IWI)とかっこ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長CEO : 岩井裕之、以下:かっこ)は、クレジットカード不正被害削減に向けた協業を開始したことを発表します。
■協業の背景
クレジットカード不正利用被害額が2022年度は過去最多の436億円、さらに2023年1-3月のカード不正利用被害額は121億円に上り、前年同期比で23.1%増加しています。増加を続ける被害に対し、経済産業省よりクレジットカードシステムのセキュリティ対策の更なる強化に向けた方向性※1について、「これまで各社が取り組んでいたノウハウやデータ等を共有することで、より高度な不正検知の実現を目指すことが期待される。」とされており、今回カード会社向け不正検知システムでトップシェア※2のIWIとECサイト向け不正検知システムでトップシェア※3のかっこが、双方の不正検知分野の垣根を越えて協業することで、より高度な不正対策の実現を目指します。
※1 経済産業省「クレジット・セキュリティ対策ビジョン2025」2022年6月
※2 200万人以上の会員を有する大手カード会社における導入実績をもとに算出(IWI調べ)
※3 株式会社東京商工リサーチ「日本国内のECサイトにおける有償の不正検知サービス導入サイト件数調査」による。2023年3月末時点
■協業の期待効果
これまで、加盟店(ECサイト)における不正対策では、不正判定に使用できる情報は端末情報や配送先情報をはじめとした、加盟店が保有する注文情報に限定されていました。
一方、カード会社側における不正対策でも、決済時の与信判定用に得られる限定的な情報と自社の保有する情報をもとに第三者利用の可能性を独自に判定していました。
加盟店(ECサイト)とカード会社が保有する情報を、双方の不正判定等に有効活用することで、業界横断的な不正対策を実現し、国内の不正利用被害額を低減することを期待します。
直近で検討を予定している施策は、以下のとおりです。
① 加盟店(ECサイト)における不正対策強化
ECにおける不正注文検知サービス「O-PLUX」では、決済の与信判定前にECサイトにおける注文時の様々な情報を活用して不正取引を抑止しています。更なる不正対策強化として、カード会社が保有する取引情報および不正判定結果情報等を「O-PLUX」に活用することで、不正被害の抑止を一層推進していきます。
決済の与信判定前での不正対策を強化することで、業界全体の不正被害額抑止に加え、カード会社側の不正対策業務負荷の低減を実現します。
② カード会社における不正対策強化、不正対策業務のDX化
加盟店(ECサイト)側に位置する「O-PLUX」が保有する情報(不正配送先情報、注文情報等)を、IWIが提供するカード会社向け不正検知サービス「ACEPlus」および「IFINDS」へ連携し、カード会社における不正対策への活用を検討します。
また、カード会社および加盟店が持つ情報を利活用した、不正対策業務の効率化や自動化についても検討予定です。
【協業イメージ】
■今後の展望
この協業を通じて、IWIおよびかっこが持つカード不正に関する情報をEC事業者、カード会社および決済関連事業者に対して広く提供することで、業界全体に貢献する不正検知精度の更なる高度化を目指します。
本取組みについては、今後各社の参画を募り、2023年秋頃から2024年末まで効果検証を実施する予定です。
■協業にあたっての各社コメント
株式会社インテリジェント ウェイブ 代表取締役社長 佐藤 邦光
カード不正利用被害は年々増加しており、不正対策を強化することは業界を挙げての課題と言えます。今回、ECサイト向け不正検知システムにおいて多数の実績を持つかっこ株式会社との協業は、業界全体ひいては日本の決済を守る大きな一歩となると確信しています。
国内の不正利用増加という課題を解決するために、日本の企業同士が協力することは非常に意義深いことであり、私たちはその一員として、より安心安全なキャッシュレス決済の実現に貢献したいと考えています。
かっこ株式会社 代表取締役社長CEO 岩井 裕之
2011年以来、かっこはEC事業者や証券会社、銀行などに幅広い不正対策を提供してきました。その中でも、EC事業者向けの不正注文検知サービス「O-PLUX」は、4年連続で国内導入数No.1の実績を誇り、これまでに11万サイト以上の不正対策を支援してきました。不正手口は日々巧妙化し、多様化していますが、かっこは精度の高い多面的な不正対策を目指し、日々研究開発に取り組んでいます。今回、カード会社向けの不正検知システムにおいて、実績豊富なIWIと協業することで、業界を超え不正検知の精度向上に貢献する重要な一歩を踏み出します。双方のノウハウとデータを活用し、より迅速かつ高度な不正検知の実現をきっかけに、様々な形で不正被害撲滅に貢献してまいります。
■各社の不正対策に関する取組みについて
インテリジェント ウェイブ(IWI)の取組み
IWIは、1984年の創業以来、カード会社や銀行向けに24時間365日止まらない決済システムを提供してきました。そのノウハウや知見を活かし1999年に当社不正検知システムのACEPlusを開発しました。2017年にはクラウド型の不正検知システムとしてIFINDSを開発および展開。大手カード会社をはじめ20社以上の導入実績があります。
製品開発と並行して、不正対策の研究を進めており、2021年にはシリコンバレーのRobust Intelligence社と協業し、AIによるカード不正検知の精度向上を実現しています。また、2022年にはJCB社との業界横断の不正利用対策を推進するセキュリティコンソーシアムの立上げや、PKSHA Technology社とAIを活用した不正に関するデータを導入社間で共有できる「FARIS 共同スコアリングサービス Powered by PKSHA Security」を開発するなど、国内の不正対策強化を推進しています。
・「ACEPlus」製品ページ・「IFINDS」 サービスページ・「FARIS 共同スコアリングサービス Powered by PKSHA Security」サービスページ
かっこの取組み
かっこは、「未来のゲームチェンジャーの『まずやってみよう』をカタチに」という経営ビジョンを掲げ、当社の有するセキュリティ・ペイメント・データサイエンスの技術とノウハウをもとに、アルゴリズム及びソフトウエアを開発・提供することで、企業の課題解決やチャレンジを支援することを目指しております。特に、オンライン取引における「不正検知サービス」を中核サービスとして位置づけ、不正注文検知サービス「O-PLUX(オープラックス)」、不正アクセス検知サービス「O-MOTION(オーモーション)」を提供しております。その中でも、「O-PLUX」は、国内で最も導入実績のあるサービスであり、これまで約11万を超えるサイトを対象にした審査を行ってきました。これにより、蓄積された膨大な国内の不正注文データを基に、データサイエンスのノウハウを活用し最新の不正の傾向を分析し、高度な審査を実現しています。さらに、事業者がより手軽に不正対策に取り組めるよう、様々なECパッケージ/ショッピングカートとの連携を進めており、今後も順次拡大予定です。
かっこは、今後も、多様化する最新の不正手口に関する分析と研究を重ねるとともに、業界を超え、積極的に機能拡充・サービス開発に取り組むことで、安心・安全なオンライン取引・ネット通販の環境づくりに貢献してまいります。
■企業情報
株式会社インテリジェント ウェイブ
住所 : 東京都中央区新川1-21-2 茅場町タワー
代表者 : 代表取締役社長 佐藤 邦光
設立 : 1984年12月27日
事業内容: 決済関連システム、金融・証券システム、情報セキュリティシステム等の開発および保守
かっこ株式会社
住所 : 東京都港区元赤坂一丁目5番31号
代表者 : 代表取締役社長CEO 岩井 裕之
設立 : 2011年1月28日
事業内容: SaaS型アルゴリズム提供事業(不正検知サービス、 決済コンサルティングサービス、データサイエンスサービス)
かっこコーポレートサイト関連サイト: 不正検知メディア「不正検知Labフセラボ」データサイエンスぶろぐ 採用情報
【本件に関するお問合せ先】
株式会社インテリジェント ウェイブ
経営企画室 広報
メールアドレス:pr_info@iwi.co.jp
かっこ株式会社
広報 担当:前田
メールアドレス:pr@cacco.co.jp
電話:03-6447-4534