インテリジェント ウェイブは創業40周年を迎えました

2024年12月に当社は創業40周年を迎えました。これもひとえに、株主の皆様をはじめとする多くの方々のご支援とご協力の賜物であり、心より感謝申し上げます。私は2024年9月に代表取締役社長に就任しましたが、これまで皆様が築き上げてきた歴史を大切にしつつ、当社のさらなる成長と発展を目指し、新たな価値と信頼性の創造に挑戦してまいります。

当社は、2025年6月期から始まる新たな3カ年中期経営計画を策定しました。この中期経営計画では、「Transformation for the Future」を掲げ、2030年代を見据えた事業の多角化と持続的な成長の基盤づくりに取り組んでいます。事業領域を「決済」「セキュリティ」「データ通信・分析基盤」の3つに再編し、「事業」「技術」「人財」の3つの観点からの変革に注力しています。いずれの領域においても、今まで以上にDNPとのシナジーを強化し、両社の顧客基盤、機能、人財、サービスを活かしながら、変革につながるような価値の掛け合わせに取り組んでいきます。

決済領域については、FEP※・不正検知分野などの、既存事業の価値最大化や生産性の向上と、領域拡大に取り組んでいます。FEP分野は、決済事業者にとって必要不可欠なシステムです。当社のシェアがすでに高いことも踏まえ、高生産性モデルへのシフトによる安定成長を目指しています。不正検知分野では、2024年にはカード不正利用額が500億円を超えるなど、社会課題となっています。当社が主導となり、各決済事業者が連携し、業界横断でクレジットカード不正利用対策強化に取り組んでいます。 領域拡大については、アクワイアリング分野を起点としたさらなる領域拡大と、重点顧客であるクレジットカード会社への価値提供領域の拡大に取り組んでいます。企画・コンサル機能を強化し、顧客と伴走しながら、FEP・不正検知分野からの領域拡大に努めています。

セキュリティ領域では、自社プロダクト「CWAT(シーワット)」の機能追加により製品価値を高め、情報漏洩対策分野でのプレゼンスを強化しています。また、セキュリティ製品の運用サービスの拡大や、DNPグループとの協業体制の再構築も進めています。

データ通信・分析基盤領域では、当社のコア技術を活用し、市場系システム分野の拡大や自社プロダクトの製造業への展開を進めています。R&D機能の強化にも取り組んでおり、コア技術の転用やAIなどの先端技術の取り込みにより、自社プロダクト・サービスの機能拡張やシステム開発・運用の効率化を図っています。
  
2025年6月期上半期の業績については、決済領域のFEP・不正検知分野が堅調に推移し、セキュリティ領域では大手顧客への製品導入等により、増収増益となりました。売上高は7,540百万円(前年同期比8.6%増)、営業利益857百万円(同0.6%増)、経常利益887百万円(同3.2%増)、中間純利益610百万円(同4.4%増)となりました。受注高は12,751百万円(同30.5%増)、受注残高は21,795百万円(同57.9%増)となりました。受注については、金融機関向けインフラ運用サービスの大型案件や決済のクラウドサービス、セキュリティ製品の複数年契約案件の受注により、大幅に増加しました。

今後も、株主の皆様のご期待に応えるべく、さらなる成長と企業価値の向上を目指してまいります。引き続き、ご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

※FEP(Front-End Processor)システム:クレジットカード決済処理に必要なネットワーク接続やカードの使用認証等の機能をもつハードウェアおよびソフトウェア

代表取締役社長
川上 晃司