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【IWI×STOCK POINT対談】
ポイントで気軽に投資・運用できるサービスを通してよりよい社会の実現へ

世界初の株価連動型ポイント運用サービスを提供するSTOCK POINT株式会社(以下、STOCK POINT社)。「週刊東洋経済(東洋経済新報社刊)」が毎年発表している「すごいベンチャー100」にて、2021年の100社に選ばれるなど、注目度が増しています。その注目企業を創業したCEOの土屋 清美氏(以下、敬称略)と当社の代表取締役社長 佐藤邦光は、STOCK POINT社設立以前から親交を持つ間柄。2人の出会い、事業起案の背景や、今後の展望についてなど、幅広い話題で対談を行いました。

佐藤 邦光(さとう くにみつ)


株式会社インテリジェント ウェイブ 代表取締役社長
佐藤 邦光(さとう くにみつ)

2020年9月にインテリジェント ウェイブ社長に就任。次世代の情報化社会に向けて、「決済、金融、セキュリティ分野を含む様々な企業のビジネスリライアビリティ(※)を支えるITサービス会社」になることをミッションとする変革をスタートさせる。社員と、会社の将来はどうあるべきかを議論しながら、従来の延長線にはない変革を常に求めている。また「働きやすさ」と「働きがい」を追求する多様な働き方と多様な人財の活躍の推進を通じて、新たな挑戦や創造を生み出す組織づくりを進めている。“世の中を変える”、“未来を創り出す”という実感を挑戦の醍醐味としており、新たな挑戦を通して、持続可能な社会に貢献し、社員と会社の成長の実現を目指している。

(※)ビジネスリライアビリティ:顧客事業の信頼性および自社事業の信頼性を高め続けること。※当社の造語。

土屋 清美(つちや きよみ)


STOCK POINT株式会社 代表取締役
土屋 清美(つちや きよみ)

東京工業大学理学部応用物理学科卒業。電通国際情報サービス、クォンツリサーチを経て、2006年にSound-F(現Sound-FinTech)を創業、大手金融機関に対する金融ITコンサルティング・システム開発事業を開始。2016年にSTOCK POINT株式会社を創業し、2017年、世界初となる株価連動型のポイントサービス「StockPoint」を開始。イノベーションにあふれた女性経営者を表彰する“DBJ女性新ビジネスコンテスト2017”ファイナリストを受賞。“EY Winning Women 2017”ファイナリスト受賞、同アジアパシフィック部門にノミネート。202110月より東京工業大学 経営協議会構成員メンバー。

STOCK POINT の事業について、改めてご説明ください。

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土屋:株価の値動きに連動するポイント運用サービス「StockPoint(ストックポイント)」を提供しています。日本では、「金融機関に口座を開いて金融商品を購入する」という行為に、敷居の高さを感じている人がまだまだ多い。そうした中で私たちは、買い物などで貯まっていく、いわゆる「ポイント」を使って、気軽に投資運用体験ができるサービスを提供しており、現在およそ42万人の会員様がいらっしゃいます。

繰り返しになりますが、日本では「将来のために自分のお金を育てる」といった考え方の定着や、貯蓄から投資への流れがなかなか進んでいません。その背景には、投資に対して「なんだか難しそう」「損してしまうのではないか」といったネガティブな印象が根強くあるのだろうと考えます。投資が人生に必要なことだと思っていても、なかなか一歩を踏み出せない、そうした現状があるのです。

ただ、そうした気持ちになるのもわかります。小さな投資金額であったとしても、「自分のお金が減ってしまう」ことは、心の痛みにつながりますよね。投資を始めたばかりの方は特に、「損をしたくない」傾向が強い。お金以外の方法がないかと検討したときに、買い物などで受け取ったポイントであれば、気軽に投資を始められるのではと考え、それを事業にしたのが始まりです。

お2人の出会いについてお聞かせください。

佐藤:はじめて土屋さんとお会いしたのは、私が大日本印刷(以下、DNP)に在籍していた2015年ごろでしょうか。ちょうど、フィンテックという用語が流行り出した頃でした。STOCK POINTを設立する前に、土屋さんが最初に立ち上げた株式会社Sound-F現 株式会社Sound-FinTech/以下、Sound-F)を経営されていた時期。当時からDNPでは、新しい事業に挑戦しようという流れがあり、グローバル企業や先進的なスタートアップ企業を対象に、協業する会社を探していました。土屋さんの先輩にあたる方がDNPとご縁があり、その方を通して出会いの機会をいただいたわけです。

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実際にお会いして土屋さんのアイデアを聞いたとき、すぐに「協業したら面白そうだ」と思ったのを覚えています。実際に、共同事業の実現に向けて協働しはじめ、DNPのメンバーも参加しながら、事業計画の作成を進めました。

土屋さんのアイデアには、単に貯蓄から投資へというコンセプトだけでなく、マーケティングの要素も含まれていた。好きな企業の株を買って企業へのエンゲージメントを高めるという発想が、DNPの顧客にフィットするのではないかと考えました。「私たちは金融会社でなく、マーケティング会社である」という土屋さんの言葉は、今でも強く印象に残っています。

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土屋:懐かしいですね。大きな話をすると、「皆が幸せな人生を送れる良い社会を作り、次の世代に引き継ぐ責任」が、私たち一人ひとりにはあるのだと考えています。一方で「投資」と聞くと、どうしても金儲けや損失に目が向きがちです。それも一面ですが、それだけではありません。企業の株式を持つということは、その企業のオーナーになるということ。たとえ持ち株が少なくても、株主としての責任が生まれると、私は考えています。ですから根本的には、「この会社が将来も残ってほしい。応援したい」と思えるような企業の株主になるべきだと思うのです。

STOCK POINTの会員様の中には、食品メーカーや小売店のポイントを集めている方もいらっしゃいます。「なぜその銘柄を持とうと思ったのですか?」と聞くと、その会社の食品が好きだから、いつもそこで買い物していて、お世話になっているからという風におっしゃいます。損得を重視するプロ投資家の分析とは異なる、生活者目線での素朴な感覚で投資されているのだなと感じました。そしてその素直な感覚は、結構当たっていると思うのです。難しいことを考えるよりは、素直な感覚で株や株式ポイントを持ってもらう。それだけでうまく回っていくのだと、そう感じることがよくありますね。

佐藤:DNPと事業計画を進めていた当時から、「航空会社の株を持っていれば、飛行機や整備施設を見学できるような企画」を検討していましたよね。生活者にとっては、貯蓄から投資への入り口になる、面白い取り組み。企業にとっては、株主が増える、自分たちのファンを見つけられるという取組み。不思議ですが、楽しい仕組みだなと感じました。

ただあの当時のことを言えば、残念ながらDNPとの共同事業には至りませんでした。事業計画の段階で、DNPとのシナジーを発揮しにくい可能性が高かったため、土屋さんの単独事業という形になったのです。DNPの中で賛否が分かれたのも事実。アイデア自体は面白いと皆言うけれど、実現には課題があると考えていた人も多かった印象です。

それでも、土屋さんの意思は固かったですね。「自分を信じてアイデアを実現させるのだ」という、まさに起業家精神を見た想いでした。

土屋さんは、Sound-FとSTOCK POINT、2度の起業を経験されています。すでに安定していたSound-Fの経営に加えて、さらにSTOCK POINTを創業することに、不安はなかったのでしょうか。

土屋:ダメだったら仕方ない、やってみないとわからない、という気持ちでした。ただ、すでにSound-Fを経営した経験がありましたからね。ずっと企業に勤めていた方がいきなり起業するケースに比べれば、その先で待ち受けるさまざまなハードルや課題を把握していた分、必要以上に不安を覚えるといったことがなかったのだろうと思います。

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佐藤:当時の土屋さんはすでに、大企業とのネットワークをたくさん持っていた。大手証券会社の幹部をはじめ、さまざまな方との強固な信頼関係をお持ちでした。アイデアの実現に協力してもらえるようなネットワークが整っていたといえるでしょう。現在のスタートアップの姿とは、かなり異なっていたわけです。

ただ、やはりアイデアを発案・起案される方、起業家の方は強い信念をお持ちだと思います。そこはやはり、大企業の社員とは違うところだなと。話は変わりますが、実は土屋さん、「リケジョ」の先駆けとして、雑誌「Newton(ニュートンプレス社刊)」に登場されたこともあるのですよね。今日はその雑誌を持参していただいていると聞きましたが……。

土屋:こちらです。理学系の女性にスポットを当てるシリーズ物の記事なのですが、巻頭ページで(笑)。当時は「リケジョ」という言葉もなかった時代でしたね。このころの私は「どこかの会社に就職できたらいいな」くらいにしか将来を想像できていませんでした。起業しようとは全く考えていませんでした。

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佐藤:(誌面を読みながら)花形だった原子炉分野を専攻されていたんですね。1学年の約800人中、女性はわずか13名だったと。少しのことでは自信を失わない土屋さんの強みは、このような環境を経験されたことも、ベースになっているのかもしれないですね。

組織作りやチームビルティングについて、お2人の考えをお聞かせください。

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土屋:組織に対する考え方はずっと一貫していて、大企業にありがちなヒエラルキー組織というよりは、個人の力が重要だと考えています。一人ひとりが、得意分野のプロフェッショナルとして能力を発揮していけば、自ずと周りの人は付いてくると考えています。組織を作るのではなく、チームの核となる人材を集められれば、自ずと会社は成長していけるはずです。STOCK POINTも社員数は少ないのですが、要所要所にスペシャリストがいるおかげで、会社がうまく回っているなと実感しています。

佐藤:IWIは450名規模の会社ですが、中小企業規模ならではのスピード感があると自負していますし、大企業にはないやりがいを感じますね。土屋さんのお話にもあったとおりで、これから伸びる会社は、個人の専門性を発揮できる会社なのだろうと、私も考えています。管理職だけが唯一の出世コースというのではなく、それぞれの専門性を発揮できる、ヒエラルキーのない体制が理想です。それと同時に、多様性のある組織作りも重要といえます。

性別や国籍、年齢などさまざまな属性を、良い意味で意識しない。「どの属性の人が何人いる」といった数値目標を前提にするのではなく、優秀な人財がいれば、通年採用で誰でも迎え入れるような体制を築いていけたら良い。実際、IWIでは、取締役 執行役員として初めて女性が就任しました。

開発や企画といった垣根を越えた人財育成にも、積極的に取り組みたいですね。育成の1つとして、IWIの社員をSTOCK POINTで修行させられたら面白いなとも考えています。技術ドリブンの会社と言われることの多いIWIですが、クリエイティブ感覚やマーケティングの素養を伸ばすことで、やれることがもっと広がるのではないでしょうか。その過程で、大企業にはない課題解決能力を鍛えられるかもしれません。ただ単に資金を出し合う協業関係よりも、人のリソースを提供し合いながら、社会課題を解決できたら最高ですよね。

「日本人は投資に消極的」といわれ続けてきましたが、2021年には、つみたてNISA買い付け金額総額が1兆円を超えると予測されるなど、コロナ禍を経てお金に対する意識が変わりつつあるという見方も出てきています。そうした変化が生まれてきている中で、2022年以降、金融分野で強みを持つ両社は、どのような展開を考えていますか?

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土屋:つみたてNISAは確実な投資手段ですよね。無理のない範囲で資産形成に取り組まれる方が増えるのは、素晴らしいことだと思います。今の若い方は皆賢くて、私が学生だった頃よりもはるかに多くのことを考え、自ら行動を起こしている印象です。今まで関心の薄かった方々も、徐々に投資へ目を向け始めていることは非常に良いことですし、STOCK POINTとしても追い風になると感じますね。投資への関心をさらに高めるお手伝いをしていきたいです。

さらには、自分の将来に向けた資産運用に加えて、自分のお金が世の中をよりよく変えていけるような、もっと大きな視点のサービスを多くの人々に提供できるようになりたいとも考えています。それこそが、STOCK POINTが社会で担う、担いたいと考えている役割です。創業から5年が経ち、当社から抱いてきたこの想いを実現できる下地が、ようやく整ってきました。来年以降の私たち自身に、とてもワクワクしています。

佐藤:IWIは技術ドリブンの会社と言われますが、そこから一歩踏み出して、ソリューションの提供形態を変えていきたいですね。規制緩和によって金融のアンバンドリングが進んだことで、金融サービスの提供形態は大きく変わりつつあります。一般の事業者がサービスに金融機能を組み込む「Embedded Finance(エンベデッドファイナンス)」が1つのトレンドになってきているのです。

とはいえ、いわゆるチャレンジャーバンクなどの新興企業が決済事業を始めるときに、オンプレミスで環境を用意するのは大変です。IWIでは、決済ネットワーク接続機能やスイッチング機能などを備えた「IGATES(アイゲイツ)」というクラウド型のゲートウェイサービスを提供していて、ありがたいことにさまざまなスタートアップ企業の方々にご利用いただいています。

ただ、現在は個別の会社ごとにソリューションを提供している状態です。そこからさらに一歩前に出て、IWIIT基盤を通して、生活者に向けたサービスを提供する事業者同士がつながるような経済圏を作れたらと考えています。同じ技術でも、アイデア次第でビジネスのチャンスを広げられるのではと、試行錯誤しているところです。

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もう1つのチャレンジは、とにかく早く、海外へ事業領域を拡大していくことですね。経営者として未来を見据えるなら、やはり海外展開が必要です。

最近では、放送事業者向けIPフローモニタリングシステムがフィンランドの公共放送Yle社(Yleisradio Oy)に採用されたのですが、一度も現地へ出張に行くことなく取引を進められました。エージェントや協業会社の力を借りることで、昔よりも海外への進出にかかるコストを抑えられる状況があります。IWIの若手技術者も、皆海外に行きたいと言っています。

ただし、海外へ進出するならば尚のこと、クリエイティブ力、企画力が重要です。それがなければ、技術の価値を十分に伝えられません。IT基盤はIWIの技術を活用しながら、マーケティングはSTOCK POINTが現地で担当する、といった形でタッグを組んで海外に進出するのも、面白そうですね。STOCK POINTのようなサービスであれば、日本のようにポイントが好きな国へ、サービスごと持っていけたら面白い。

土屋:いいですね。ぜひ、何か取り組めればと思います。

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