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【IWI×デジタルワレット対談】
モバイル送金のグローバルカンパニーに聞く、多様な人財が活躍する組織づくり

日本最大のモバイル国際送金サービス「Smiles Mobile Remittance」を提供する、株式会社デジタルワレット(以下、デジタルワレット)。今回の対談では、同社の創業者でもある代表取締役社長 宮川 英治氏(以下、敬称略)と当社の代表取締役社長 佐藤邦光が、2人の出会いや海外展開への想い、企業における多様性のあり方などについて語り合いました。

佐藤 邦光(さとう くにみつ)


株式会社インテリジェント ウェイブ 代表取締役社長
佐藤 邦光(さとう くにみつ)

2020年9月にインテリジェント ウェイブ社長に就任。次世代の情報化社会に向けて、「決済、金融、セキュリティ分野を含む様々な企業のビジネスリライアビリティ(※)を支えるITサービス会社」になることをミッションとする変革をスタートさせる。社員と、会社の将来はどうあるべきかを議論しながら、従来の延長線にはない変革を常に求めている。また「働きやすさ」と「働きがい」を追求する多様な働き方と多様な人財の活躍の推進を通じて、新たな挑戦や創造を生み出す組織づくりを進めている。“世の中を変える”、“未来を創り出す”という実感を挑戦の醍醐味としており、新たな挑戦を通して、持続可能な社会に貢献し、社員と会社の成長の実現を目指している。

(※)ビジネスリライアビリティ:顧客事業の信頼性および自社事業の信頼性を高め続けること。※当社の造語。

宮川 英治(みやかわ えいじ)


株式会社デジタルワレット 代表取締役社長
宮川 英治(みやかわ えいじ)

日本最大のモバイル国際送金サービスを提供する株式会社デジタルワレットを創業、代表取締役社長をつとめる。日本法弁護士。
国内大手法律事務所での弁護士勤務からソニーに転職し、おサイフケータイ等の事業創造、ソニー商品のクラウドプラットフォーム開発運用部門の責任者等を担当。
2014年に起業、サービス開始後3年で日本最大のモバイル国際送金サービスを構築。2020年から、US、カナダ、EU、シンガポール、フィリピン、ベトナム、インドネシア等で企業買収と新規グループ会社設立により事業を展開し、アジア発のFintechプラットフォームグループを展開。現在、各国拠点に10カ国以上のプロフェッショナル人材が結集すると同時に、日本人と男性がマイノリティとなり、多様性あふれるグローバルカンパニーを経営。

デジタルワレットの事業について、改めてご説明ください。

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宮川:デジタルワレットは、電子マネーやおサイフケータイに関わってきた、ソニーグループのメンバーなどが集まり創業した会社です。2014年の創業から2年ほどは、BtoBの受託開発を主な事業としていましたが、そこで蓄積した資金を投資する形で、国際送金サービス事業の開発に着手。2017年には、モバイル専門の国際送金サービス「Smiles Mobile Remittance(以下、Smiles)」をスタートさせました。

Smiles」は、200以上の国や地域に現金を送金できるサービスです。約60万の拠点で現金の受け取りができるほか、リアルタイム送受金にも対応。時間や場所にとらわれない送金サービスとして、多くの方にご利用いただいています。また、海外の方でも平易に利用できるUIUXを実装するなどの使い勝手をご評価いただき、2021年には国際送金のサービスとして初めて「グッドデザイン賞」を受賞させていただきました。いまでは、日本最大のモバイル海外送金サービスに成長しています。

Visaやマスターカードといったクレジットカードブランドや、国際決済網「SWIFT」などは世界的に知られていますよね。いずれも欧米で生まれたサービス、仕組みですし、フィンテックもまた、欧米中心の業界と言われてきました。

私たちは、アジア圏を中心としたフィンテックインフラ、アジア発のグローバルプラットフォームを作りたいと考えています。大変ありがたいことに、その志に対してパートナーの皆様から強い共感をいただけており、サービス開始当初からさまざまな形での手厚い支援をいただいています。現在もシンガポールやアメリカ、カナダなどの会社を買収するなど、世界に向けて事業を拡大し続けている段階です。

株式会社インテリジェントウェイブ(以下、IWI)は、決済ネットワーク接続やスイッチングをSaaS型で提供するサービス「IGATES」をお持ちです。フィンテック業界の変化や海外展開について、どのようにお考えでしょうか。

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佐藤:これまで「IGATES」を利用されるお客様は、既存の決済事業者が中心でした。しかし、スタートアップ企業のフィンテック参入が広がっていることで、新規事業会社などこれまでにないお客様からの問合せが増えています。クラウド型ゲートウェイサービスである「IGATES」は、初期費用を抑えての早期導入が可能という長所を備えます。フィンテック事業に新規参入したいお客様には、その点を魅力的に感じていただいているようです。

海外展開の話をすると、IWI202241日付で「海外事業推進室」を新設。外国籍の社員を含む専門チームを作りました。彼らに期待しているのは、自分たちの力で現地の銀行と関係を築いてもらうことです。そのために必要なのは、デジタルワレットさんのように自分たちの志を現地のお客様に示して、共感いただくことでしょう。

IWIは、「24時間365日止まらないシステム」と「不正検知技術で犯罪を止める」という2つの価値を提供しています。特に「不正検知技術で犯罪を止める」ことの思いを示していきたい。決済分野において不正被害を防ぐことは、万国共通の課題ですからね。

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宮川:おっしゃる通り、アジア圏でも多くの決済事業者が不正被害に苦しんでいます。ただ、実際に不正検知に取り組めるだけの技術、ノウハウを持つ会社はそう多くありません。リアルタイム処理技術を活用して不正を防ぐことができるのは、高い技術力を持つIWIさんのような企業に限られます。IWIさんには是非、不正検知を軸の1つにした「アジアの決済プラットフォーム」を創り出していただけたらと思いますね。

お2人の出会いについてお聞かせください。

宮川:初めて佐藤さんにお会いしたのは、私がソニー株式会社に在籍していた2013年ごろでしょうか。共通の知人を介した会食の場で知り合い、それ以来、定期的に食事へ行くようになりました。

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佐藤:いつもお酒を飲みながらでしたね。それこそ、いま対談しているデジタルワレット社のバーカウンターで、ワインを飲みながら語り合ったこともありますね(笑)。

仕事関連で印象深いエピソードといえば、私が大日本印刷(以下、DNP)に在籍していた当時、一緒に仕事をしていたチームメンバー、つまりDNPの社員を宮川さんに育てていただいたことです。DNPやソニーなどが共同出資していた新規事業会社で、当時プロジェクトマネージャーを担当されていたのが宮川さんでした。そこへDNPの若手社員を出向させる機会があり、宮川さんの下でみっちりと鍛えてもらったわけです。

そのとき私が抱いた宮川さんの印象は、「とにかく人を大事にされる方だな」というもの。出向していたのは、若くて経験が浅い社員でした。正直、彼が活躍できるか心配でしたが、宮川さんは良いところを熱心に探し出して、能力を発揮できる環境をつくってくださった。決して頭ごなしに否定せず、改善すべきところがあれば的確に助言をされていたのを見て、とても感心しました。

宮川:出向された方は、将来を非常に期待されている方でした。ただ、DNP時代に同じクライアントを担当し続けていたので、それ以外の領域で仕事をした経験が少なかった。システム開発案件の担当になったものの、彼にはその経験もありませんでした。そんな状況からのスタートでしたから、要件定義から開発まで一連の流れを、一緒にトレーニングするようなイメージで教えていったのです。

佐藤彼の社会人としての土台を築いてくださったのは、間違いなく宮川さん。DNPに戻ってきたとき、見違えるほど成長していて、皆が驚いていましたよ。

昔から人を育てるのが上手だったのですね。その宮川さんが創業したデジタルワレット社では、さまざまなバックグラウンドをお持ちの方が活躍されています。組織づくりの観点から、多様な人財が力を発揮するための取組みや、方針についてお聞かせください。

宮川:現在、東京本社に出勤している社員は50名ほどですが、日本人の比率は半分以下だと思います。そのほか、アジアを中心にして世界各国に拠点があり、日本以外ではフィリピン出身の社員が最も多く、その他にもシンガポールやベトナム、アメリカなど、出身国はさまざまです。また、海外拠点を含めた全社員の7割以上が女性でもありますね。採用時に国籍や性別を意識しているわけではないのですが、結果的に多様なバックグラウンドを持つ人財が集まっていると感じます。

私は創業以来、ダイバーシティ的な働き方を許容する企業文化づくりを徹底的に推し進めてきました。ただ、四角四面に決まり事を設けているわけではありません。その逆で、規則はあえて詳細に決めていないのです。

例えば、現在の日本では、育児と介護を同時期に行う「ダブルケア」世帯が多い。育児支援のルール、介護支援のルールと、それぞれを詳細に決め込んでしまうと、そのパターンから外れたり、両方当てはまる人が逆に損をしたりといったケースも出てきます。手厚くサポートをしたいのに、明文化された規則が邪魔して支援できないといったことが起きるのです。ですので、規則を大まかなものに留めることで、社員一人ひとりの状況に合わせて柔軟な対応を行えるようにしています。

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佐藤:社会環境が目まぐるしく変わり、従来の規則では対応しきれない事例が増える中で、デジタルワレットさんの取組みは参考になります。逆に、多様な人財が活躍する会社ならではの難しさを感じることはありませんか?

宮川:多様な働き方を許容し合う企業文化が成り立つためには、全社員がお互いの働き方を最大限に尊重しなければなりません。社員一人ひとりが異なるライフステージにいると理解し、多様な働き方を許容して助け合うこと。他の社員の働き方に決して文句を言わないこと。社員を採用する際には、これらの価値観を理解することを必ず約束していただいています。たとえどれだけ優秀な方でも、ダイバーシティに対する考え方が合わないのなら、一緒に働くことは難しい。これは、社員にも日頃から伝え続けていることの一つです。

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佐藤:社員全員が価値観を共有しているからこそ、ダイバーシティを最大限に尊重する企業文化が醸成されているのですね。

宮川:企業文化という意味でいえば、掃除もその一つかもしれませんね。デジタルワレットでは、社員自身がオフィス清掃をしています。ちょっとしたテーブルの拭き掃除から四半期に一度の大掃除まで、基本的には各社員が自主的に掃除を行います。

清掃業者に依頼しないのは、掃除を通して学べることがあるからです。例えば、床の掃除。会社に置いてある掃除ロボットの設定を調整して、床掃除を徹底的に自動化するよう命じています。デジタルワレットはITテクノロジーで世の中を便利にする会社ですから、掃除ロボットがあるのに人間の手を使って掃除をしていては、説得力がありません(笑)。

また、この東京本社をご覧いただくとわかるとおり、執務スペースや会議室をガラス張りのオープンなデザインにしているのもこだわりです。消費者向けのサービスを提供する企業、その社員として、外部から見られている意識を常に忘れないでほしいという思いがあります。この取材のように、いつ外部の方が来られてもいいように、オフィス空間をきれいに、快適にしておく。その意識を持たなければ、良い製品、良いサービスは生み出せないと思うのです。

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佐藤:なるほど。当社にもつながる話だなと感じました。IWIは、カード決済をはじめとする、さまざまな社会インフラを支えています。もしもカード決済がストップしてしまったら、その影響の大きさは計り知れません。しかし、日常のなかで「自分たちが社会インフラを支えている」という意識を常に忘れずにいられるかというと、なかなかに難しい。その意識を持って仕事と向き合ってもらうにはどうしたらよいのか、私も頭を悩ませているところです。掃除やオフィスの在り方でサービスと向き合う意識を磨く、デジタルワレットさんの取組みをお聞きして、大きなヒントをいただいた気がします。

IWIも外国人採用を強化するなど、多様性の確保に取り組まれています。社内ではどのような変化が起きているでしょうか。

佐藤:「様々な出身国の方と仕事をする機会が多いから、色々な言語を覚えたい」と話す社員もいるなど、前向きな影響が出てきていますね。また、最近では日本の社員からも積極的な意見が出始めるようになったと感じます。

よく言われる通り、日本人はあまり自己主張をしない傾向にある。私としては、社員それぞれが個性を発揮してくれる環境が理想だし、挑戦して初めてわかることもたくさんあるはずです。「批判よりもまずやってみよう」の精神で、どんどん意見を出して、新しいことにも積極的にトライしてもらいたい。そのための土壌づくりを、さまざまな側面から行っている最中です。

宮川:「社内で突き抜ける」くらいの気概がなければ、世の中で話題になるようなサービスは生み出せないでしょう。デジタルワレットの社員にも、ぜひそのような気持ちを持ち続けてもらいたいと思います。

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佐藤:人財の多様性に加えて、私はいま、地域の多様性にも目を向けています。IWIは東京本社のほかに、函館にもオフィスがある。しかし、私が社長へ就任する以前は、あまり活用できていない状況でした。

「函館オフィスも輝かせたい」という思いから、函館の学校と共同でウェビナーを実施するなど、すでにさまざまなチャレンジを行ってきました。その結果、現在では協力会社の方々を含めた約30名が利用する活気のあるオフィスに生まれ変わっています。今後は、函館に長期滞在して仕事をするワーケーションのような制度や、仕事の合間に地元の産業を手伝えるといった地域交流の拠点としても活用できないかなど、さまざまに考えているところです。

宮川:多様かつ優秀な人財を確保する上でも、東京だけでなく地方に拠点を持つことはメリットがあると思います。確かに東京には、学歴競争を勝ち抜いてきた人たち、「与えられた問題を速く解ける」という意味での優秀さを備えている方が多いです。

しかし、新しい製品やサービスを考えるときに求められるのは、さまざまな場所で暮らした経験や、複数の視点から物事を捉える力であって、単純な学力の高さとは異なります。デジタルワレットのようなIT企業、具体的な職種でいえば、デザイナーやプログラマーとして活躍するには、特にそのスキルが必要だと思うのです。

「用意された問題」を速く解ける人ではなく、「問題を見つけられる」人、自分で見つけた好きなことや趣味をとことん突き詰められる、そんな個性、強さを持った人財こそが、これからの時代に力を発揮していけるのではないでしょうか。そういった意味でも、東京一極集中ではなく、さまざまな場所に拠点を持つことは、企業の強みになっていくはずです。

佐藤:将来、世界にも拠点ができればと思っています。ぜひ協力し合うことができれば良いですね。

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